「幾何学」と一致するもの

 西洋建築の要所要所に、ヴァイオリンのネックに、繰り返し登場するあのグルグル。あちこちでやたら目にする割には、書き方はおろか名称すら判らない、この謎の渦巻文様にお困りではないでしょうか。

 この謎の螺旋の正体は、イオニア式スクロール(Ionic scroll)もといヴォリュート(Ionic volute)

 Illustratorでの作画手順をつづきにまとめました。

 最近はパースも大体検討がつくようになりました(ありがとうイラスタ、ありがとうパース定規)。
 さて、次に気になりだしたのが建物そのものです。

 これまではインターネット上の写真を目分量で測って描くだけで満足していましたが、ある時、これまで何気なく見ていたお城の門や入口のアーチにも、形によってセグメンタルアーチやホースシューアーチといった名前がついていることを知りました。名前があるからには、なにやら一定の法則があるようです。

 ここにきて、自分の書いている窓やアーチは「正しい」のだろうかと不安になりました。



Shadeで作成・レンダリングしたものに、さらにPhotoshopで着色した



 ここ数年、パース関係の本は何冊も目を通しましたが、建築パース・漫画用パースの参考書で、建築自体の包括的な知識を教えてくれる本というのは、散見したところありませんでした。別の教科書が必要なようです。

 そこで漠然と調べてみたところ、古典的な建築物はその土地や時代ごとの様式によって特定の比率で設計されていたり、また幾何学(きかがく)というものが応用されているのがわかりました。キカガクとはよく聞く謎のフレーズですが、どうやらキカガクとはCADもないイラレもない状況下、アナログ作業でかつ一定のクオリティで図形を書き出す、古来からのテクニックのようです。

 創元社が出しているアルケミスト双書で「これは!」という、幾何学の本がありましたのでご紹介します。