年末年始はシャルノスでした

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 あけましておめでとうございます。旧年中は幣ブログにお越しいただきありがとうございました。

 昨年末に数年ぶりに風邪を引いてしまい、ずっとダウンしてしまいました。断食生活の末、なんとか体調もぼつぼつ戻ってきましたので、ひさしぶりに有電源のゲームレビューなど。
 90年代TRPGブーマーにはトラウマな単語が飛び交うゲームでしたが、さて。

 ということで、今回のブツはライアーソフト漆黒のシャルノスでございます。

 実在・架空の人物が入り乱れるパラレル英国を舞台にしたスチームパンクでは王道路線のノベルゲーム。
 さりながら、パスティーシュ路線でおなじみのホームズとモリアーティとコナン・ドイルときて、ラヴクラフト先生までもが平然と雁首並べてるあたりで王道とは言いかねますか。まさに探偵vs邪神。

 昨年体験版を遊ばせていただいた赫炎のインガノックと世界観を共有する、スチームパンクシリーズの最新作だそうで、例によってそこここにシャドウランネタがちりばめられております。好きなんだろうなあ。
 インガノックの時も思いましたが、てらいなく好きなモノを合体させてこねくり回して行き着いた果てにできたのがコレ、という実直な印象のゲームです。

似せる努力は放棄

 おおまかなあらすじは、金色の右目・黄金瞳をもつ少女メアリが、友人を助けるため秘密結社『東インド会社』のエージェント・Mと契約し、オカルト事件に巻き込まれていくというもの。契約内容というのも、Mのために怪異(メタクリッター)を引き寄せる生餌になるという、なかなかハードな設定。

 でもってこのMさんですが、ぶっちゃけモリアーティなんですよモリアーティ。
 眼帯・黒づくめの20代モリアーティ教授が、詰襟軍服の男装の美女モラン大佐をお供に、夜のロンドンでクリッター退治に明け暮れてる、なんてナイス設定を突きつけられれば買うしかないじゃないのよさ!

 このMがどういう人物なのか主人公メアリの視点から描かれる主題の1つでもあるのですが、端的に行ってデレのないツンデレ。すごいツン。
 こんな可愛いヒロインを目の前にして最後までデレのひとつも見せないという、近年まれに見るキャラに仕上がってます。


初書き主従

 ただ、いたいけなヒロインを生餌にしたり、決め台詞が「残念だったな」だったり、とかく非人情なMさんですが、メアリを「キティ」と読ぶ理由からして、傍目からにはデレてないんだけど当人からすれば充分デレてる...のかなあ。

 メアリも負けてなくてMに食って掛かったり、まずMが嫌いになる展開は、正統派少女漫画ヒロインの趣。やはり一度はヒロインから嫌われないとですよ!

 落ち着いたトーンの声のメアリがナレーションを兼ねていて、それも良かったなと思う点の1つ。
 男性向け18禁ゲームだと「ああこれは面白そうだな」と思っても、肝心のヒロインがずーっとキンキンした声で喋り続けていて、耳が疲れちゃって体験版でやめちゃうパターンが多いんですよね。

 劇中、基本メアリの一人称視点なので、序盤はとにかく謎・謎・謎だらけ、だったのが、ストーリーを進めるにつれて次第に謎がそれとなくわかっていきます。
 各エピごとに、30分アニメ風のお約束展開が繰り返されますが、そういうのが特に嫌いじゃないという人にはオススメです。