バーン=ジョーンズ展にいってきました

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バーン=ジョーンズ展

 お盆休みを利用して、三の丸尚蔵館と三菱一号館美術館で開催中のバーン=ジョーンズ展にいってまりました。

 ここのところバーン=ジョーンズが気になって画像検索していたりしたんですが、バーン=ジョーンズ展が開催されていたのに気づいたのが今月入ってからで、期日まで間もなく慌てて見に行きました。いやー、会期中に気がついてよかった。

 三菱一号館は始めていく美術館ということもあって、楽しんでまいりました。

慈悲深き騎士

 エドワード・バーン=ジョーンズといえば、個人的に画家というよりはアーツ&クラフツ運動のウィリアム・モリスの生涯のパートナーという印象が強いのですが、実際に会場にステンドグラスの下絵など以外に、ケルムスコット・プレス刊本まで展示されていて驚きました。
 水彩画・油彩画も豊富で、ギリシャ神話を題材にしたアモールとプシュケ、ペルセウスの連作やいばら姫、東方の三賢者のタペストリーなどの大作も多く、ニワカファンも大変満足できる充実の内容でした。

 画集で見るかぎりでは、絵が優しい為かなんとなく小ぶりなイメージがあったんですが、絵画作品は天井まで届くサイズのものがほとんどで、実際見るとかなりの迫力。

 また、大きいからてっきり油彩だろうと思いこんでいた作品が、実は水彩ガッシュということもありました。こちらの「慈悲深き騎士」も水彩画。先程カタログの紹介文を読んでてはじめて気がつきました。
 実際に作品を見ると見ないとではかなり印象が変わる作家でした。

 作品によっては、額装もおそらく当時のままではないか(ガラスが嵌ってない)というものもあり、もしかしたら、アーツ&クラフツの作家の作品なのかなーと思いながら見るのも楽しかったです。

 アーツ&クラフツ運動やウィリアム・モリスとの関係性は、場内の説明文では詳しく解説はされておらず、アッサリ触れる程度。「うるさいことは言わないからとりあえず作品見てよ」という雰囲気の展示でした。

 

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 三菱一号館美術館は最近オープンした美術館で、建物はかつて現地にあった銀行を再建したレンガ作りの3階建ての洋風建築です。
 再建にあたって建築当時そのままの構造をできるだけ再現したそうで、展示スペースもほとんど当時の部屋割りのままです。その為、順路は1Fのチケットカウンターからエレベーターで3Fに上がり、1階づつ階段で降りてくるという、変わった順路になっています。

 部屋ごとにマントルピースがあったり、天井のモールディングや照明機具、上げ下げ窓がしっかり再現されていたりするのにエキサイトしましたが、そういうところで喜んでいたのは私一人だけ...

 展示会場は各室を移動する形になっているのですが、扉をくぐって次の部屋に行くまで何がその部屋にあるのか判らないのが面白かったです。本当に洋館に足を踏み入れて散策しているという雰囲気が味わえました。

 また作品保護の為に室温を20℃と低めにしているそうで、同行してくれた酒折女史が冷え切ってしまってかわいそうなことに。夏場は羽織る物を用意していったほうがいいかもしれません。

 

 ひさしぶりに東京に行ったのですが、東京駅をはじめ丸の内方面は再開発も進み、ここ数年ですっかり町並みも変わっていました。

 丸の内はオフィス街で平日は食べるところがない、何か食べようと思ったら駅まで戻るしかない、という雰囲気だったんですが、今や普通にレストランや喫茶店だらけに。
 今回の三菱一号館美術館をはじめ、東京駅周辺は意外に美術館の密集地域なんですね。食べることに関して心配がなくなったので遊びに行きやすくなりました。


発作的に購入

 さて、三菱一号館美術館、おみやげ物コーナーが異様に充実しておりまして、というか、出品を依頼した関係なのか、V&A美術館関連の書籍が一角を埋めていました。

 その中にV&A Patternというテキスタイル関係のシリーズがあり、なんと豪華CD付き。各冊1360円。
  William MorrisOwen Jonesの2冊をゲット。

 内容はそれぞれ壁紙デザインが収録されています。Owen Jonesはあまり日本では有名ではないですが、19世紀のイギリスのデザイナーで、世界各地の歴史的意匠を収集したThe Grammar of Ornamentという本で有名な人です。

 さて、CDの内容は、A5サイズ・300dpiのjpg画像が収録。PCで見るには大きいけど印刷するには低すぎるというギリギリの解像度設定! くおおお! もどかしい!

 ...しかし、買ってから気づいたんですが、巻末に「商業利用したかったら連絡しなさい」とありました。ということで商業利用はまず出来ないということですね、アッハイ。
 ウィリアム・モリスの壁紙を舐めるように見たいという人にはオススメです。