軸のぶれない資生堂

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 資生堂の19世紀から20世紀中葉にいたる画像資料アーカイブが、MITのサイトで公開されています。
 主だった内容は新聞広告からポスター、パンフレットなど。時代的には明治から第二次大戦時下までのコレクションです。

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 印刷技術の向上や時代の変遷によって次第に体裁を変えていくものの、ロゴと基本コンセプトはすでに大正期に完成しているのが判ります。
 今現在流通している製品と見比べて、パッケージデザインも見劣りしませんし、棚に並んでてもさほど違和感はなさそうです(文字が逆さまじゃなければ)

 当時、国内外で流行っていたアールデコ様式は印刷物に限らず工業製品、建築様式に至るまで影響を与えますが、化粧品のコンセプトアートに使うのは斬新だったように思われます。

 やがて戦時下になると、それまでモデルや最新モードで飾られていた機関紙の表紙が一転、戦闘機や最前線の報道写真に切り替わってしまうのに時代色を感じますが、そんな物々しい表紙をのけば内容的には戦前と変わらぬテイストを貫き通したようです。さすが歪みない資生堂。




モードの話:大正~昭和初期、都会的な日本女性 資生堂の歴史、米大学教材に(via 毎日新聞 2009/6/26日)

 この記事(公開終了)によると、MITの日本語授業の教材で使うんだそうで、インターネットで一足先に公開されたもののようです。

 MIT Visualizing Culturesでは、この他にも日本関係の資料写真アーカイブが妙に充実していて、幕末明治期の写真や当時の風刺画など、なかなか面白いものがあります。

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