Shade13からエクスポートしたlwoファイルの面(法線)が反転する現象

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objファイルに自動スムージングがかかるのはセルシスの仕様

 shadeからエクスポートしたobjファイルをIllustStudioに読み込ませると、どうしても稜線(エッジ)が甘くなってしまうのは、Shade側の問題なのかと思っていたんですが、ComicStudioのFAQでこんな回答がありました。

【3DLT】オブジェクトのスムージング - http://tech.clip-studio.com/node/13775

 

 IllustStudio上でobjファイルに自動的にスムージングがかかってしまうのは、どうもComicStudioから受け継いでいる仕様のようです。

 つまり、IllustStudio上でエッジをキレイに出力したかったら、objファイルではなく、lwoファイルである必要があるということですね。Shadeから直接lwoファイルをエクスポートすれば、稜線を表示したい面をバラバラにする必要もなくなります。

 

 幸い、Shadeでもlwoへのエクスポートができますのでなんら問題ない、はずだったんですが...

 

Shade13からエクスポートしたlwoファイルの面が反転する

 Shade13からlwoファイルをエクスポートしたファイルを、IllustStudioで読み込んだところ、おっとポリゴンの様子が... しかし、よく訓練されたShadeユーザーは慌てない!

 さて、この一見ポリゴンが剥げてしまったような表示は、面(法線)が裏返ってしまっているとよく起きる現象です。

 えー、3Dは一種のハリボテです。ハリボテはいわゆるポリゴンという三角形~多角形の薄い紙切れがつなぎ合わされてできあがっています。ポリゴンには裏表というのがありまして、法線はその裏表を示す線です。面・法線が裏返っているというのは、つまり本来なら見えてはいけない内側が見えちゃってるということです。

 面反転の問題に対して、IllustStudioではすでに対策がとられています。

 IllustStudioの[3Dワークスペースプロパティ]タブ上で、面反転が起きている3Dオブジェクトを選択、[両面表示]ないし[面反転]にチェックをいれると、ポリゴンの異常表示がなくなり、正常に表示されました。

 この調子だと、同じようなトラブルが以前にもあったんでしょう。先達の苦労がしのばれるようなボタンです...。

POSE STUDIOでは反転面は真っ黒になる

 試しに同じlwoファイルを、POSE STUDIOにも読み込ませてみると、今度は反転面部分が真っ黒に表示されました。

 POSE STUDIO側には法線(面)の向きを変更する機能はないようなので、要注意です。


Shadeから安全にlwoファイルをエクスポートするには

 インターネットでざっと調べてみたところ、Shadeは以前から、lwoファイルのエクスポートでクセがあるようです。

 念の為、面が反転してしまっているlwoファイルをShadeで見たところ、法線の向きが真逆になっていました。明らかにエクスポートの時点で面の反転が発生しているようです。

 Shadeからlwoファイルを正常な形でエクスポートするには、自由曲線のままエクスポートするのは避け、一旦ポリゴン化の上、法線を反転させてからlwoファイルにエクスポートします。IllustStudioおよびPOSE STUDIOで読み込んだ際も、問題ありませんでした。

 自由曲線での挙動はわかりませんが、ポリゴンであれば、単純に面を反転させるだけのバグのようです。テクスチャがある場合はどうなのかまでは確認していませんが、作画の補助の無地のオブジェクトであれば、この方法で回避できそうです。

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