11月上旬に読んだ本

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[佐武と市捕物控 2] 石ノ森 章太郎

佐武と市捕物控 2 (ビッグコミックススペシャル)

 ここ何年かで読んだ漫画の中で、もっとも斬新さを感じられたのが実は30年以上前に描かれた漫画だった、というのにドキッとさせられます。

 斜めのコマワリや見開きなど現代の漫画と見まがうばかりですが、はじめてそれをやったのが手塚治虫ではない石ノ森章太郎で、「石森漫画は掟破りなところがあってそれが新鮮だった!」というのが当時の読者(母)のコメント。
 それが30年たってデファクトスタンダードにまで昇格。今出ている漫画表現で、大概のことは石ノ森章太郎にやりつくされたんじゃないか。

 読んでいてハッとしたのが台詞の処理の上手さ。
 基本中の基本といえばそうなんですが、ミステリ仕立てのため長台詞の応酬が多い佐武と市シリーズですが、非常に読みやすい。見開きページ全体でのレイアウトが整理されていて、よくできた広告ポスターのようにストレスなく読むことが出来ます。

 最近の漫画だと、楕円形定規そのままで描いたフキダシを用いるのが90年代からこっち定着してますが、そういう漫画に限って段々台詞を追うのが億劫になって、台詞を読み飛ばしたり、あるいは台詞だけを追っていることがままあります。読むのに集中力が必要になるんですよね。
 なるべくフキダシも絵も綺麗に整えたいんだろうな、と細部にこだわる心情は判るんですけど、全体でみるとそれが見やすいか、といえばいや見やすくないんだなと気づかされました。

[先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます!―鳥取環境大学の森の人間動物行動学] 小林 朋道

先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます!―鳥取環境大学の森の人間動物行動学

 先生シリーズの1巻目。先日購入した「先生、子リスたちがイタチを攻撃しています!」は3巻目で、先生もかなりハッチャケてきましたが、1作目ではまだまだ控え目。だんだん筆が乗ってきたんだな。

 1作目では動物モノのスタンダードらしく、楽しい話もあれば動物が死んでしまう悲しい話もある、硬軟おりまぜた内容。
 湖の離れ小島に1頭だけ住んでいるシカが島の植生変化を(文字通り)食いとどめているエピ、タヌキによってもたらされる植物の遺伝子交配など、なかなか興味深く読めました。我が家の庭に未知の植物(ハーブ、ムスカリ、無数の雑草)が生えてくるのは、なるほど猫やハクビシンの通り道になっているからかもしれません。

[建築のハノイ―ベトナムに誕生したパリ] 増田 彰久 大田 省一

建築のハノイ―ベトナムに誕生したパリ

 往時はイギリスに次ぐ植民地帝国であったフランス植民地時代の名残である、ベトナム・ハノイに残された数々の西洋建築、に在来の建築様式が入り混じり作り上げるカオス建築写真集。この入り乱れ感がたまらない。ヒャッハー。

 表紙写真の建築物も容赦なく黄色く塗られてますが、高温多湿のベトナムではあっと言う間にカビだらけになって、おどろおどろしい建物になってしまうから、のようです。

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